立方体と殻の夢

7 月 31 日の昼,ぼくはゆっくりと鬱に転じているのではないかと恐れながらねむり,夢を見た.夢の中のぼくはまさしく鬱状態だった.

そこは立方体の構造物がひしめく世界だった.

最後の方にアダルトな表現が少々含まれるので注意.

かなりの部分が Minecraft に似ているがちょっと違う.Minecraft は基本的に全てが立方体だが,この世界の立方体はお手軽に作成できる「部屋」と「殻」で,人や家具などその他の物質は現実世界と変わらない.

厭世観とダンジョン

ぼくが思うに,周りのみんなはすごく幸福なようだ.どうやら狭く閉じられた世界のようだが,みんなが思い思いの場所で部屋を作って生活をしたり,時には大工事をして大きな建造物を作ったりしている.

それに対してぼくは常に気分が晴れず,あらゆるものに不満を感じながら過ごしていた.

そこに友人が現れ「ダンジョンを掘って探索する」というので,暇つぶしにぼくは付いていくことにする.ここでいう「ダンジョン」というのはもちろん RPG でいう敵が出てくる迷宮のようなものだ.

チューブ状の構造物の中にぼくたち.チューブの外側は何もない空間(そら)

上空に作られた通路の真ん中あたりに到着すると, ぼくたちは別々にダンジョンを掘り始めた.

「ダンジョンを掘る」とは,「自分の隣に 1 単位の立方体を作ると同時にその立方体の方向の殻を掘るということを繰り返す」ことである.なので壁の向こうが空でも落ちたりはしない.むしろ何もない方が,他の部屋を掘り当てたりして他人の邪魔をしないで済む.

ぼくたちはうねうねとダンジョンを作り,「掘って敵を倒して財宝を奪うもしくは拾う」という行動を繰り返したが,思ったよりずっと早い時間に友人が切り上げるという.ぼくはもう少し続けようと掘ってみたが,すぐにやる気が失せたのでやめた.

ぼくが手に入れた財宝(アイテム)は,ゴミじゃないが逸品でもない中途半端なものばかりだったので売って処分しようと思い,店を作ることにした.

ぼくのダンジョンは上図の無人部屋を横切る形で掘ってある.そこで無人部屋とダンジョンの殻を一部切り取って「カウンター」にし,在庫はダンジョン側に置くことにした.どうやらこうすれば自動販売ができる仕組みらしい.

店の在庫を納入しているとさっきの友人がやってきて「何か欲しい物があればあげる」という.友人の物置部屋に行くと,飾り気もない部屋にいくつか無造作に剣が置かれていた.どれもぼくの経験からすると高級品だったので,自分で使用するためにいくつか貰った.

世界の法則

ところでこの世界にはいくつかの法則があるようだ.

  • 一個の立方体の大きさは全て同じ(一つの面が四畳半くらい)
  • 立方体に関する作業は全て目を使った念力で行う.
  • 立方体は一度に自分がいる立方体の隣に一個だけ作れる
  • 立方体の継ぎ目をずらして置くことはできない
    • 継ぎ目が合っていない停止した立方体は存在しない
  • 自分が居る立方体か隣の立方体の殻に,念力でスタンプを押すように絵や文字を書くことができる
  • ダンジョンを作りたい場合は,そう念じながら立方体を作る(敵や財宝が出ないこともある)

エロの集い

ぼくには特に決まった家はない.疲れたらその辺に部屋を作り,要らなくなると壊す.そんな具合なので,その後もいつも通りフラフラ歩いていた.

ふと,かなりの上空に,立方体のかたまりがあった.すべての立方体の殻に,絶妙に「不健康」と「健康」の狭間のエロチックさを表現したオリジナリティあふれる 2 文字の擬音(忘れた)が書かれていた.誰かが催し物をやっているらしい.

久々に心が弾んだので行ってみようとすると,他の人もそこに行こうとして足場を作っているのが目に入った.客が多いとなんとなく楽しめなさそうで行く気が失せた.

ぼくはその後も当てもなく歩き回ったあと,夕日で赤くなった世界の隅っこで腰を下ろして休憩をした.

隅っこと構造物

鬱と無気力な破壊

この世界は確実に面白い.すごく興味深い仕組みだ.そう思いながらも主観的には全く楽しめていない.

ぼくは立ち上がり,歩きながらなんとなく自分が通った立方体の道を壊し始めた.誰かが作った立方体の道も所々壊し始めた.支えがなくなった立方体が落下していく.

みんなが騒いで逃げ回っている.「ああ,こういうこともできるんだ」.

ぼくは立方体の道を壊したり作ったりを繰り返した.みんなが,わけも分からずおびえて逃げ回っている.

世界のど真ん中に火山状の構造物を作ろうと思い,最下部に降りてまず山を作った.そこでふと「誰かがぼくの悪事に気付くんじゃないか.誰かがぼくを見つけたらどうしよう」と考え始めた.できるだけ気付かれないように気をつけつつ,素早くマグマと噴煙を作り上げる.常にみんなの視線を感じているような気がして怖ろしかった.

淫と無の衝動

こそこそと,また世界の隅っこに戻ってくると,なんとなく雰囲気が変わっていることに気付く.そして何か向こうの隅で動くものを見つけた.

歩を進めるごとに詳細が分かってくる.隅っこの立方体の中で「アニメの体」をした女が何かに犯されているらしい.さらに奇妙なことに,その「アニメの女」は体の大きさがおそらく尋常ではない.顔の面積だけで四畳半はある1.なんとなく誰かの視線を感じて恥ずかしくなりながらも近づいて行く.

しかしようやく現場に到着し上から覗いてみると,誰も居なかった.錆びたパイプが伸びた下水道がずっと下の方にあるだけだった.何だったんだろうと思っていると,また少し向こうで別の「アニメの女」が喘いでいるのに気付いた

この女は体が普通の大きさのようだが,今度は犯されているのではなく,分娩が間近らしい.近くに看護婦も見える.

しかし上から見るとまたもや誰も居ない.代わりに深い茶色の「したらき」のようなもので満たされた浴槽があった.ぼくはそこの天井のガラスのような殻を破壊すると,その浴槽の中に飛び込んだ.これで生まれることができる,と.

注釈:
1.
余談だが,夢から覚めたあとで気付いたことがある.この時点でぼくはある程度透視できるようになっていたらしい.四畳半の顔が上から覗けるほど近くではなかったし,透明な立方体は作れなかったはずだ.

「立方体と殻の夢」への1件のフィードバック

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